ギターコード

【ハイコードの押さえ方 : 第2回】メジャーコード

開放弦を含まないメジャーコードを覚えよう

 第2回では、個人的に弾き語りで使っているメジャーのハイコードの押さえ方について説明します。

 ギターを始めた方の多くが最初に覚えるのは、オープンコード(開放弦を含むコード)のCやGなどのメジャーコードではないでしょうか。
 本記事では、オープンコードではなく、開放弦を含まないハイコードを紹介していきます。

 第1回では、開放弦を含まないハイコードを覚えると色んなメリットがあることを語りました。

 第2回では、開放弦を含まないメジャーコードを紹介していきます。

6弦ルートでの押さえ方

6弦ルートでの押さえ方は3つ紹介します。

6弦ルート その1

では、まず6弦ルートでの押さえ方を2つ紹介します。

1つ目はこちら。一般によく知られているバレーコードのFメジャーですね。

これはオープンコードのEメジャーを平行移動した形になっています。Fメジャーコードだと人差し指で6弦全てを押さえます。その人差し指の役割を、Eメジャーコードではナットが担ってくれている、と考えることができます。

6弦ルート その2

2つ目はこちら。

自分はネックを握って親指で6弦ルートを押さえています。5弦は親指もしくは薬指で軽く触れてミュート。1弦は人差し指で軽く触れてミュート、といった感じです。

これ、実は先ほどのFメジャーコードの一部を弾いてるだけなんです。鳴らす音数を絞っていますが、これもちゃんとしたFメジャーコードです。

バレーコードのFメジャーコードだと握力が疲れるので、自分はこちらの押さえ方を多用しています。

6弦ルート その3 (使用頻度 低め)


6弦ルートでの3つ目の押さえ方はこちら。指を開くので慣れるまでキツイかもしれませんが。

5弦は小指もしくは人差し指で軽く触れてミュート。2-4弦は人差し指でセーハ。1弦は人差し指で軽く触れてミュート、といった感じ。

これはオープンコードのGメジャーの一部を弾いてることになります。

この押さえ方は、頻度は高くないですが、個人的には使っています。
(あまり一般的でないかも)

5弦ルートでの押さえ方

今度は5弦ルートの押さえ方を2つ紹介。

5弦ルート その1

1つ目はこちら。

6弦は人差し指で軽く触れてミュート。2-4弦は薬指でセーハ。1弦は薬指は軽く触れてミュート、といった感じ。

形はFメジャーの次なる難関として知られるBメジャーですね。
人差し指で1弦~5弦までセーハする押さえ方が一般的かもしれませんが、
自分の場合は、基本的には1弦は弾かずに、2弦~4弦は薬指でまとめて押さえてます。
人差し指では5弦のみを押さえるだけでOKなので、セーハするよりかは押さえやすいと思います。

こちらのコードはオープンコードAの一部を弾いている、とも捉えることができます。

5弦ルート その2

2つ目はこちら。

4フレット分を抑えるので、慣れるまでは押さえづらいかもしれません。
6弦は小指で軽く触れてミュート。1弦は人差し指で軽く触れてミュート、といった感じ。
こちらは、オープンコードのCメジャーの一部を押さえた形と捉えることができますね。

4弦ルートでの押さえ方

では、最後に4弦ルートの押さえ方です!

4弦ルート その1

人差し指で1弦と2弦をセーハします。
5弦は親指もしくは薬指でミュート。6弦は親指でミュートしています。

こちらはオープンコードのEメジャーの一部を弾いている、と捉えることができます

4弦ルート その2 (使用頻度 低め)

4弦ルートですと、オープンコードのDメジャーを移動した形で押さえる方法もありますが、こちらは押さえづらいので、自分は弾き語りではほぼ使用してません。が、念のため、紹介だけしておきます。

自分が弾き語りで使うメジャーコードの便利な押さえ方は以上です。

コードを実際に使ってみよう。

では、紹介したコードを実際に使ってみましょう。

今回弾いてみるコード進行は、/ A♭ B♭ / E♭ /です。

♭が多いのでややこしい…と思ったかもしれません。
しかし、さきほどの押さえ方をそのまま当てはめるだけでOKなのです。
やってみましょう。

6弦ルートから弾き始める場合

まずは6弦ルートから弾き始める場合について。
A♭、B♭、E♭は下図のように位置しています。

あとは先ほど確認した押さえ方で、ルートをA♭→B♭→E♭に当てはめればOKです。例えば、下図の通り。

どうでしょうか?
ベースの位置は確認する必要がありますが、押さえ方の形はそのまま当てはめるだけです。

引き続き、別のポジションで弾く場合もやってみましょう。

5弦ルートから弾き始める場合

次に、5弦ルートから弾き始める場合です。
A♭、B♭、E♭は下図のように位置しています。

今回はかなりハイポジションで弾くことになりますが、先ほどと同様に、ルートをA♭→B♭→E♭に当てはめればOKです。例えば、下図の通り。

4弦ルートから弾き始める場合

最後に、4弦ルートから弾き始める場合です。
A♭、B♭、E♭は下図のように位置しています。

先ほどと同様に、ルートをA♭→B♭→E♭に当てはめればOKです。例えば、下図の通り。

いかがでしたか?

このように、開放弦を含まない押さえ方をマスターすれば、♭や♯を含むコードが出てきても、すぐに弾くことができるのもメリットだと思います。

弾き語りをする際は、弾きやすい方法を選ぼう

ここまで、/ A♭ B♭ / E♭ /というコード進行を、便利な押さえ方を使っていろんなポジションで弾いてきました。

ただし、実際はカポタストを1フレットに装着して、/ G A / D /というコード進行でプレイする人も多いかと思います。

正直、弾き語りをする上では、そっちの方が弾きやすいと思います。

ただ、今回の便利な押さえ方を覚えて、“カポタストが無くても、すぐに対応できる”という引き出しは持っていても、絶対に損はないと考えています。

演奏方法の引き出しは増やしておいて、場面に合わせて、最適な方法を選べるようにしておくのがいいのかな、と個人的には思っています。

まとめ

いかがでしたか?

開放弦を含まない押さえ方を覚えると、

  • いろんなポジションでコードが弾けるようになる
  • カポタストが無くても、様々なキーに対応することができる
  • ♭や♯のついたコードがいきなり出てきても、弾くことができる

といったメリットがあります。

今回紹介した6種類の押さえ方で「使えそう」と感じたものがあれば、ぜひ試してみてください。

次回以降は、

  • マイナーコード
  • 4和音 (△7, ドミナント7th, m7(♭5), m7などなど…)
  • テンションコード

なども扱っていこうと思ってます。

では、また!